食欲がない人への
ちょっとした言葉かけ
幸せの引き寄せになる「言い方」私は緩和ケア病棟で
働いていました。
病棟の立ち上げに伴って
その病院に移ったのですが、
私の思い描いていた緩和ケア病棟とは
ちょっとイメージが違ってました。
手厚い看護ケアを受けれる
療養病棟みたいな感じでした(^^)v
近頃は、
2人にひとりが癌の診断を受けますが、
高齢化社会であり、
患者さんの大半は高齢者です。
高齢者になってから癌になると
症状の進行も緩やかで、
痛みとかを訴えない人が多い。
痛みがあっても
軽めの鎮痛剤でコントロールできていました。
ちょっと認知症もあり、
自分の病名すら認識していない。
認識してないからストレスがない。
いつもニコニコしており、
食欲もある。
「少ない！」
食事を持っていくと、
そんな文句を言う人もいました。
そんだけ大きな声が出るなら、
上等！
そんな彼らの多くは、
緩和ケア病棟に来るまでは四六時中、
たくさんのルートに繋がれて、
点滴を抜いたらあかん！と
両手を拘束されたりして、
体は点滴のために浮腫んでいるし
不穏！不眠！
点滴でずーと栄養が与えられてるので
空腹感もぼやけてくるし、
食事も制限されていて絶食だったり
出ても美味しくなさそうな配膳。
(今ならインスタ映え？そんな病院食は少ないけど)
交感神経を測る機械があったら
針は振り切ってるんだろうなあ(゜ロ゜)
それが医師の
「もう、できる治療はないので、
あとは緩和ケアへ行ってみては如何ですか？」
と、あっさりと転院を勧められて、
やってくる人が大半でした。
緩和ケア病棟にやってくると、
余程のことがないと
すぐに食事が始まって、
点滴も徐々に減らされました。
すると患者さんの体の浮腫みは
減っていきます。
浮腫みって見える部分だけでなくて、
心臓とか肺にも水が貯まってるんですよね。
水に溺れてるみたいな？
そりゃあ、しんどいです。
腸管も浮腫んでるだろうし、
自律神経も乱れているので
働きも悪くなっていて、
食欲も出ません。
それが、
目の前に綺麗に配膳された食事、
自分で箸やスプーンで食べる。
元気になりますよね！
転院してきた方は、
皆さん転院当初は元気になります。
元気になったように見えるのかも？
私は、たとえ短期間でも
そんな笑顔でご飯が食べれた！
家族と散歩したりお話ができた！
そんな当たり前の、
かけがえのない貴重な時間の小さな積み重ねが、
緩和ケア病棟では大切だと考えていました。
でもある時、
一人の患者さんから言われました。
「看護師さんには、
とてもよくしてもらっていて文句はないけれど、
食事の量を聞かれるのが辛い。」
そうなんです(。>д<)
病院だから、
スタッフは当たり前のように
食事摂取量を聞いて、
カルテに記載していたんですね。
すぐにスタッフで話し合いを
持ちました。
緩和ケア病棟とはいえ、
病院なので食事の摂取量を把握するのは
栄養状態を知るために必要という
意見もありました。
でも、多くのスタッフが
ハッと気づかされた様子でした。
私もその一人でした。
自分や家族に置き換えたら、
しんどい時に食えるかー！
ですよね。
私だってスペインの病院に入院していた時、
あまりの不味さにトイレに流して、
BAR(バル)で美味しい食事を
買ってきてもらってたなあ(о´∀`о)
患者さんは病気の進行や
心が沈んだりして、
食べたくても食べれないんです。
ほとんど手付かずのお膳を見て、
否が応でも進行する病気や
残された時間が少ないことを
感じているところに、
看護師が「どれくらい食べました？」
って聞いてくる。
何か感情に留目を刺されているみたい。
無意識のうちに
私たちは患者さんを看護師や病院の常識や
言葉で彼らを追い詰め、傷つけていたんですね。
それからは、
患者さんには食事摂取量は聞かずに
下膳したスタッフが量を確認する。
「食べたくなったら食べてくださいね！」
って声かけを変え、
少しでも食べれていたら、
その食べたことを前向きに捉えてもらえるような
声かけを工夫しました。
効果はすぐに出ました。
貴重な気づきをくれた方が、
食べないと！というストレスから解放されたら、
食欲が湧いてきた。
ちょっとでも食べてたら、
看護師さんが一緒に喜んでくれるのが嬉しい。
本当に言い方、
発する言葉を少し意識するだけで
相手も自分も自律神経のバランスが整い、
良い状況を引き寄せるんだなあ～、
と学びました。
この言い方への気配り・心配りは、
たとえば、
私のように在宅介護をしている方も
取り入れると、
幸せの引き寄せになりますよ！
※参考文献
小林 弘幸 人生で一番役に立つ「言い方」
小森 圭太 潜在意識の書きかえ方
言い方ひとつで幸せはやってくる！